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宇宙の行方

宇宙物理学者に言わせると宇宙はいずれ崩壊するらしい。現在は宇宙は膨張してい、そして膨張が止まれば爆縮して宇宙はその誕生を閉じるという。だが人間生存レベルで考えると宇宙の終焉は人類史に見合わないものとも言えるかも知れない。永遠はなくとも人類が宇宙の心配をするより、自分たちのことを真剣に考えた方が良さそうだ。物理は永遠はないと説くが、実際のところどうなのだろうと思う。ぼくの理論から言えば人類は存続している限り有り続ける。即ち人類が滅亡しない限り宇宙は無くならない。

ぼくの高校最後の年、父はぼくに「生命は不滅だ」と明るい顔でそういった。そうしてそれから数日後、彼は首を吊った。この父の話はあやふやだ。魂は不滅か、生命は不滅か、といったか現在の僕にはわからない。どちらにせよそのようなことを言ったのだ。この話はここに初めてする。僕自身、父の話には疑問符が有り、また誰に言うこともなく過ごしてきた。恣意的に放置してきたのだ。考え続けたわけじゃない。ただしまるっきり忘れたわけでもないのだ。

誰しも星を見たことはあるだろう。燃え盛る恒星を、太陽に焼かれる惑星を見たことがあると思う。だが現代の多忙な人は、そんな空間に目を向けることが少なくなっていることだろう。研究者たちは電波望遠鏡で星や銀河を捉えているかも知れない。電波や赤外線やあらゆる放射線を現代は観測できるようになったのかもしれない。だが待ってくれたまえ。宇宙の誕生と我々は密接な関係があることを忘れてはならない。

すべての物質。人間が考えついたあらゆる事象。便利な道具。それらすべては宇宙が人間とともに作ったものだ。その関係性を問ふとき、密接な関係がその間のあることに気づくだろう。人間が作り上げた人工物の秘密はすべて宇宙と共にあるのだ。その点を忘れてはいけない。人間が蠢き仕事をしている。それは仕事が有りそこで雇用されそこの仕事を学びそうして賃金を得るために仕事をする。そういうあらゆる仕事が生まれた経緯は、宇宙の創造が関与しているのだ。そうして我々生体は、質量を持つが故にエネルギーを持つ。何千兆という人間の生命が生まれて死して来た。その循環は非常にドラマティクだ。現在になぜ我々は存在したか? これはほとんど奇跡だ。そうして生きて歩むべき道として死があるのに、この一文を読む人は読める人は生きている人だけなのだ。とはいえぼくは生命は永遠などとは言わない。ただまだ隠された秘密があり、父の言ったことが、何かを暗示してる様な気がする。個体の生死は、悲劇的だ。一体どれだけの人が死んでいるか予想もできない。また死というのが生命の終着点なのだと言明することは避けよう。

宇宙は謎を僕たちの前に置いている。ぼくらは宇宙から学んだことでこの世界を構成している。この点までは確かな気がする。ただそのことがすぐにわかるとは思えない。多くを学んだ人は必要なことだけを学ぶべきだと知らないかもしれない。何事においても必要なことさえ学べば、ある種の哲学的解釈のもと益ある仕事も出来るはずだ。ただ人間には役割分担があり、多くを学んだ専門家は必要ではある。しかし新しい世界を切り開くには、その頑迷な頭ではたどり着けないことだろう。

Commented by yuienkobo at 2017-05-03 17:22
こんにちは。
人類が滅亡しても、今度はどこかでニョロニョロみたいなのに生まれて宇宙の中で遊ぶのかしら。
そっちのほうがいいな、とか思ったりして。
Commented by ningenno-kuzu at 2017-05-04 10:44
> yuienkoboさん
人類の滅亡なんてそう簡単には起こらないのでしょうね。ただじんわりと絶望の空気が広がってゆき、苦渋に満ちた人生を歩むとき、ふと立ち止まれば人類滅亡までのシナリオが見え隠れするのかもしれません。
by ningenno-kuzu | 2017-05-03 15:22 | エム・アイ・ケイ・アイ理化学研究所 | Comments(2)

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