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求道者としての職業

ぼくがこの世界にいくらの職業があるか考えてみても仕方がないかもしれない。ぼくは適職をずっと探し求めていた身であり、その変転は求道者故のことでもあった。誰もこの世界のすべての職業を経験することはできない。ある社会人が職を持つ。これは極めて健全なことかもしれない。この世界を構成しているのは何らかの労働であり、労働があるからして現在が成り立っている。こういった認識は誰しも持つことができるだろう。事実そうかも知れない。でもぼくはいつでもそこで立ち止る。労働などというものが本当に必要であるだろうかと。

労働がなければこの世界は存在しない。ならば必要だと結論を急ぐ必要があるかもしれない。だがこの世界自体本当に必要なものだろうか。この問いはおかしな問いかも知れない。僕自身ずっとこの世界に存在した。これからも幾年月存在するだろう。労働という足かせに重圧を感じながら戸惑いながら進むことだろう。ぼくの問いはいたってシンプルだ。ぼくにできる仕事は有るだろうか? ということだ。

数ある仕事。それが僕を生かす。ぼくはすでに死んでいるのかもしれない。つまり僕にできる仕事はこの世界に存在しないのだ。つまりぼくはこの世界では生きてゆけないのだ。新しい世界の創出などといったことなど、人間一人ではできようがない。だがこの世界以外へと変革を求めることはしたとて無駄だろう。新しい世界、そんなものはないからだ。

ぼくは延々と考える。自分の職業をだ。ふと作家ではどうだろうか?  と考えた時期もあった。だが巷をにぎわす商業出版はぼくの書く物との乖離があって、人々の要求をみたすようなものは書かないし書けない。読んでは捨てられるもの。それは僕の中にはない。またぼくはどこの出版社の人も知らない。よって仕事が回ってくることはない。

僕は職業を持ちながらにして失業者なのだろう。仕事を持ちながらにしてホームレスなのだ。仕事とされるもの、職業と呼べるもの。それらが無数にあって世界を構成している。ぼくはその構成員から外れたところにいるのかもしれない。疑問もなくこの世界にとどまることをぼくはできない。




第2回プラチナブロガーコンテスト






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by ningenno-kuzu | 2018-01-13 12:58 | ブログ | Comments(0)

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