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『これからの一生』エミール・アジャール

人は本を選ぶ基準とはなんだろうか? ぼくの場合、まずタイトルを見る。『これからの一生』なんなのだ? これからとは? それも一生の。もちろんぼくはこの本を手に取った。それも図書館でだ。

この人はジーン・セバーグと結婚した。離婚し、そしてピストル自殺というすさまじい一生を終えた。なおのこと彼の偉業といえば、ゴングール賞を二度とったことでも知られている。フランスでは文学賞といえば権威ある賞といえばゴングール賞しかないのだ。

もうこの本と出合ってずいぶんになるが、フランスでいまだに彼を抜く作家はいない。レイモンド・クノーは有名だが、エミール・アジャール(ロマン・ガリ)は有名ではない。

モモは訊く「愛がなくても生きていけるの?」と。ハミルおじさんはしばらく沈黙を置いて「生きてゆけるとも」と答える。このシーン。何歳かわからない小さな子供がそう問い、人生の終末を迎えようというおじいさんは「生きてゆけるとも」と答える。その冒頭のシーンだけでも、なんと悲しいことか。

詳しくは述べないが、この作家は世界の中においては有名だが、こと日本においてはまるで知られていない。20世紀を代表するフランスの作家なのに・・・。

まあ日本人は外国文学に冷たいし、なおのこと日本国と違うお国柄は取り入れないみたいだ。そこそこよいものを。まあまあてきどに?
by ningenno-kuzu | 2007-02-03 23:51 | Books | Comments(0)

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