2012年 09月 20日
ただひたすら。
創作ノートを少し読んだ。何年前かは知らぬが、小説を書く目標はありながら、その内容はひどく悲惨な物だった。何が悲惨かというと、小説の出来が悪いのだ。つまりそれが悲惨。だが、文章においてそれは綺麗だった。自分のことを褒めるようだが、ほんとに良く出来た、文章、ことばだった。うまいのではなく、美しいのだ。ことばの配列が美しくて、まるで叙事詩でも読むかのようだった。叙事詩といっても固くない叙事詩のようだった。だからぼくは救われたが、それをただ喜ぶわけにはいかない。肝心の小説がとてつもなくひどかったのだ。まるで学生が書いたように観念的で、言葉のための言葉とでもいおうか、感心できたものではなかった。そうなってくるとぼくが創作ノートーを読んでいる意味がなくなってしまう。良い物がありはしないかと読んでいるぼくには……。
だが、たぶんぼくは書き続けるだろう。しばらく筆を置いているが、やがてぼくは仕事を始めるだろう。ただそれだけのこと。だれも喜びはしないが、やはり大切なことだ。ぼくにとって。そういうわけでありまして、そんなに君を待たせるつもりはない。