なんの意味もなく、意義もなく。

何かを書こうというわけではない。今までどおり推敲もしない。そんな夕方だ。
 言葉があり、それにまつわる体験があり、それでもなおかつ知りえない深さがどこかにある。ずいぶん前だ。命をかけたか? 生体の初初しさ。そのエネルギーの集うこと。生き生きとした弾む肉体。はっしとした態度。心沈むわけではないが、ぼくには何も手で触れることができない。掴むもの、それは砂浜の砂。ぼくがみたまぼろしの一群。吐息が聞こえるほど近くにいてほしい。だが、吐き散らされる盲従がそこかしこに見える。だが、それとて生体の一部分。もう引き返すことのできない、遠いところでの出来事だ。忘れましたか? あの輝きを。光っていましたよ。太陽光の歪に。まわるく見えたお月様。ニッコリとお笑いでしたね。もう忘れましたか? あの血の一部を。

 陽炎が登る頃、太陽は東にあった。今は西に傾き七色の光が分光器のもとにバラバラになっているね。花束を抱えてもたげた首を傾けてゆっくりお茶をすすっているんだ。香るそのカップを手のひらで包んでしまおう。吐息が聞こえるほどに。さあ、歩くんだ。真っすぐに迷わず。何もないところに種を蒔きながら。それは砂漠だったのかもしれない。そこはまばらだったのかもしれない。わずかな希望という種を咲かせることはできるのか? 命がひとつ壊れる前に、ビルが日の光に白く消えないように、そこからここまで。あれか、これか。逡巡しながら。さあ、あれが大熊座だ。まるでランボーみたいに、げんこつをポケットにねじ込んで放浪しよう。どこでもないそこに。さあ、前だ。そしてその前だ。包み隠さず白日の太陽は吠える。
by ningenno-kuzu | 2012-10-07 17:24 | ブログ | Comments(0)

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