夢を見た-積年のカルマ

僕は夢見ていた。ぼくの生まれる何千年も前の夢だ。それは一幕物の夢で、変更はどうやら不可能みたいだった。それは一瞬だったような気がする。それらが終を告げるとぼくは一目散に逃げ出した。それはどこからかはわからない。生まれて初めてのことだからだ。時間は伸びたり縮んだりしたように思う。核をもちそれをあらゆる色彩で飾ったものだ。原色の夢だった。痛みも伴う夢だった。そこには悲しみはなかった。悲しみが悲しみとなるのにはまだ相当かかるらしかった。ぼくはあるとき目覚めた。夢を見ていたという自覚はあった。ただ夢の内容は何一つ覚えていなかった。色や音が混ざり合い、温度さえ接触感さえ感じた。だがそれらは忘れられているうちに葬り去られたのだ。

ぼくにはどうしようもない夢だった。悲しみそのものだったからからぼくは悲しくなかったのだろう。そんな時代を超えた一縷の嘆きは、どこまでも伸びている。それが続く小路をぼくは蘇った如くに歩き始めるしかないのだ。それが夢っだったと気づかずにぼくはフィクションとなり人前で道化を晒す。人々はおかしくてぼくを笑うだろう。でもそれがぼくなんだ。この先1000年をぼくはまた夢見ることだろう。積年のカルマに導かれぼくは右往左往しながらただひたすら夢に惑わされてたった一歩を恐ろしく長い年月のもとに新たな夢のために築くだろう。

by ningenno-kuzu | 2017-03-13 19:10 | フィクション | Comments(0)

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by 穴田丘呼