2.14戦争

遠くはぼくが高校3年生の時だ。生まれて初めてバレンタインデイに本命チョコをもらった。それは今だから言えることだが、その時、僕はバレンタインデイなるものに疎かった。それを認知したのはぼくが中学の頃だった。それはあくまでも噂というものであり、誰かがチョコをもらったらしいという範囲で収まっていた。ぼくが認知したというのはあまり正確ではない。というのはバレンタインデイというものをぼくは、その当時、全く知らなかった。
チョコの手渡し。しかも本人ではない。ぼくと同級生の女の子が持ってきた。これKさんからと言って渡されたのだ。ぼくの頭の中は「?」状態。初めてだしチョコをもらう意味が理解できなかったのだ。ぼくはもらったので「ありがとう」と言った。持ってきた女子は「それだけ?」と聞き返した。つまりぼくはチョコをもらい礼を言ったのだが、それ以外をぼくは要求されたのだ。だが僕としてはそれ以外何も思いつかなかった。人から物をもらえば礼を言うという当たり前の行為以外、何も思い浮かばなかったのだ。

ぼくが仮に「ありがとう」の次に「付き合おう」もしくは何処其処に行こうと言っていれば良かったのかもしれない。が、しかし当時のぼくは「付き合う」という概念が欠落していた。現在でも巷に賑わう付き合い方にもぼくはあまりピンと来ないのだ。結婚というゴールに向かう相手なら付き合うべきかもしれないが、所謂遊び感覚で付き合うというのにはぼくは抵抗がある。ぼくは大人の癖にまだ少年期並みの淡い思い入れがあるのだ。高校3年の時にチョコを貰った相手はとにかく可愛かった。スタイルも抜群だった。それなのにぼくは何もできなかったのだ。それはある意味、常識を超えている。だがそれがぼくという男なのだ。言っておくがぼくも男という動物なので、人並みに性的欲望はある。しかししてぼくはその欲望の虜に相手を巻き込まない。実はそれが僕には恐ろしく、人の人生を変えてしまう婚姻に対して後ろ向きなわけで、ポコポコ結婚し子供を産み育てる、そういう一般的な行動様式を持たないが為、ぼくは未だに独身なのだ。

ぼくのモテ期はやはり高校3年の時だろう。というよりモテるという感覚にとらわれたことはない。そこに重要性を見いだせなかったのだ。なぜ高3がモテ期だとわかったのは大学生の女子がM君は一番女の子に人気があるよと教えてくれたからだ。だからそうなのかと思ったわけだが、ぼくは第三者から言われなければ何もわからない人物でもある。つまりそういう事に疎い。ごく近年にセックスだけの関係にならないかと旦那を亡くしたフィリピーナが言ってきたが、ぼくは鼻から無視した。男としてはおいしい話だが、そんな虚しい動物にはなりたくない。とはいえぼくの欲求があるとき爆発し欲望に走るかも知れない。つまり未来は何も決まっていない。未来にひとつだけ決まっていることは、ぼくはいつか死ぬだろうということくらいだ。

by ningenno-kuzu | 2017-04-23 08:54 | 思い出 | Comments(0)

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