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『権力と戦う良心』シュテファンツヴァイク著

実を言えば記憶にない。読んだか読んでいないかがだ。家にあるのは間違いない。読んでいたとしたら内容は覚えていないことになるだろう。だからぼくはこのタイトルにインスパイヤされて書くしかない。

どの時代でも組織は権力構図がある。何らかの組織に属するとその立場が微妙な色合いで生まれる。自分の持つ権力を乱用したら、いつの日かそれが暴き出され白日のもとで罰せられることもある。権力は時に負の方向に向かう。そういった権力と戦う姿勢がこの小説にあるか知らんと思われる。どんな話も陰陽があって、こんなダイレクトなタイトルは珍しいと思う。『山椒魚戦争』というカレルチャペックの小説がある。登場人物を戯画化した作品だ。そういう戯画化しないと所謂権力に目をつかられる時代だったのだろう。

飛び抜けた科学者は昔なら正しい理論と分かっていても時代性の宗教的な側面から理論の言及を避ける場合がある。こうやってクリエイティブな仕事をする人は、時代によって表現の仕方が変わってくる。日本は慎ましやかなお国柄なので、表と裏じゃないが、本音と建前じゃないが、権力と戦うにしてもあまり過激な発言は一般的じゃない。

でもね、あるとき人間は命をかけて戦う必要がある。とはいえ現代みたいな反政府やアンチなんちゃらはそこここに見受けられる。そういう空間はぼくは正しいとは思わないが、非難するにもやり方というのがあると思うし、何をしてもアンチなんちゃらと決め付けるのはおかしいと思う。とはいえだいたいで誤魔化すのは嫌だな。

とはいえ保身のために悪行をしている人は許せないというのはある。とはいえ世直し隊みたいな善人ぶった人にはなりたくない。どこでも立場というのがあり、ある程度、人間なんだからと許せる面もあるのだ。

とはいえ『権力と戦う良心』みたいな精神性は持ちたいね。

by ningenno-kuzu | 2017-06-21 16:19 | Books | Comments(0)

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